HD-01 YEEZY SHMG BLACK
2015年、Yeが当時制作していた
未発表アルバム『So Help Me God』。
そのタイトルとともに提示された
象徴的なグラフィックが、
HD-01の背面に配置されている。
4つの小文字“m”を
ダイヤ状に結んだ図案は、
13世紀の聖母マリアに関連する
修道院のシンボルとされる。
同年に発表されたシングル
「All Day」のアートワークにも使用され、
当時のYeが音楽と宗教的イメージを
結びつけた時代を象徴する図案となった。
それから約10年後の2025年2月、
このデザインはYZYのHD-01として再構築され、
Yeezy.comに登場した。
しかし、その再登場には
2015年とは異なる文脈が与えられていた。
発売直前、Yeは
収監されていたSean “Diddy” Combsについて
「FREE PUFF」と投稿。
Diddyが設立したブランド「Sean John」と
YZYによるコラボレーション「FP-01」も発売し、
利益を50対50で分けると表明した。
続いてYeは、2016年のホテル監視映像から、
Cassieが旧版の
『So Help Me God』フーディーを
着用している場面を投稿。
その映像には、DiddyがCassieに
暴力を振るう様子が記録されていた。
Yeはその直後、HD-01を
“THE LOVE HOODIE”
と名付けて販売を告知した。
“LOVE”はDiddyが使用していた呼称とも重なり、
本来は聖母マリアと祈りに結びついていた図案が、
2025年にはYeによるDiddy支持と
切り離せない意味を持つことになった。
HD-01は、2015年の未完成のアルバム構想と、
約10年後のYeを取り巻く論争が、
一着の中で交差したアーカイブである。